プリンセス・トヨトミ

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

読み終わって「これは当たりだ」と思った。

「大阪には明治時代から続く「大阪国」という地下組織があって…」という一見すると突拍子もないストーリーに思えるが、読み進めると実に真っ当なヒューマンドラマ。昔のような直球の表現では気恥ずかしくて感動しにくいのが今の雰囲気だと思うが、このようなおおげさな舞台装置や「皮肉」とかを混ぜつつ、実は「親子の絆」を語るところに、とても今っぽさを感じる。ティムバートンの「Big Fish」も同じ感じがした。